誰でも簡単に商品を販売できるwebサービスが登場しています。
商品の販売を行うにあたり、必ず必要となるのが、「価格」の決定ですよね。
商品を販売する側にとっても、お客さまにとっても非常に重要な要素であるからこそ、「いくらで販売するのがベストなのか」多くの人が迷うのです。
既に価格を決めた方も、これから決める方もきっと少なからず悩んだと思います。
価格を決めてみたけど、本当にこれでいいのかな?売れるのかな?と自信が持てない、または、決め方が分からないという方に向けた記事となっています。
本記事では、『適切な価格』の決め方~商品(物品)販売編~と題し、商品(物品)販売に特化した価格の決め方を解説していきます。
商品の価格を決めていくうえで知っておくべき言葉があります。
それは、「原価」「利益(粗利)」「経費」の3つです。
既に知っている方もいると思いますが、本記事でもよく使う言葉なので、今一度確認してみてください。
原価とは、商品を販売するうえで、必要不可欠な費用の総称です。
本記事では、「材料費」「設備費」「その他」の3つに分けて説明します。
原価は、下記のように、1つの商品を販売するまでにかかった費用をすべて合算した金額のことです。
原価率とは
原価率とは、価格の中でどれくらい原価が占めているかの割合を指します。
原価率は、「原価÷価格×100」で算出することができます。
(例)価格は150円でした、原価は35円かかりました。その場合原価率は23%です。
利益(粗利)とは、商品の価格から原価を差し引いた金額を指します。
つまり、儲けともいえます。
この利益=儲けが、ビジネスの成長に関わってきます。
【例】1個500円で販売しているパンの場合
パン1個にかかる原価を125円としましょう。
価格500円から原価125円を差し引き、利益(粗利)は375円となります。
利益率とは
利益率とは、価格の中でどれくらい利益が占めているかの割合を指します。
利益率は、「利益÷価格×100」で算出することができます。
(例)売上は150円でした、利益はは35万円かかりました。その場合原価率は23%です。
経費とは、人件費と広告宣伝費などをさします。
原価と経費は分けて考える必要があります。
価格の決め方をお伝えする前に、価格の決め方で大前提となる考え方をお伝えします。
価格と購入の関係は、「安ければ買う」「高ければ買わない」という単純なものではありません。
高くても商品自体に魅力を感じてもらえれば購入するお客さまはいます。
反対に、安くても、お客さまが商品自体に魅力を感じなければ購入に至りません。
このように価格が商品と見合っているかどうかはとても重要です。
売れる商品やサービスを目指すために行うべき「内容の見直し」の手順書
価格と商品が見合っているかは、お客さましか判断できません。
どんなに自分で見合っていると思っていたとしも、お客さまにそう思ってもらえなければ、購入には至らないからです。
前章でも説明しましたが、価格を決めるには、価格が商品と見合っているかが大前提となる考え方です。
それをふまえたうえで、サブスクランプがおすすめする価格の決め方をお伝えします。
原価についてはこちらをご確認ください。
商品を製造するのにかかる費用を計算します。
材料費
設備費
その他
利益についてはこちらをご確認ください。
原価+利益(粗利)から価格を決めるステップです。
※ここで決める価格は概算です。
商品を販売して、どれくらい利益が欲しいかを考えていきます。
類似商品を参考にして、原価+利益(粗利)で決めた価格を確認するステップです。
ほとんどの場合、既に誰かが類似商品を販売していることが多いです。
類似商品がいくらで販売しているのかを3~5個程度探し、決めた価格が高い~普通~安いのどの位置にいるのか確認してみましょう。
商品を確認してもらい、この金額はどうか、いくらなら購入するか価格を人に聞いて確認するステップです。
2.価格の決め方で大前提となる考え方で解説した「価格が商品と見合っているかどうか」を実際に判断してもらいましょう。
このステップでは、お客さまが思う価格の相場を知ることができます。
お客さまが思う価格の相場を知ることで、実際に購入につながりやすい価格を決めることができるでしょう。
1人だけではなく、3~5人に聞けるといいですね。
実在する1人をターゲットにする重要性| 理由や質問項目など細かく解説します!
聞いた価格をそのまま決めるのではなく、その価格でちゃんと利益が出るのかを確認しましょう。
利益が出ないのであれば、より価格を上げなければいけないのですが、それに見合った内容(付加価値)も追加していかなければいけません。
価格を聞く際に、どういう内容が盛り込まれていると嬉しいかなども聞けるとベストです。
サブスクランプがおすすめする価格の決め方はこの4つのステップです。
1番最初に原価+利益(粗利)で算出することで、赤字になることはないため安心です。
しかし、原価+利益(粗利)だけでは、お客さま目線が抜けてしまっているため、実用的とはいえません。
そのため、類似商品を参考にする、人に聞くという2つのステップでお客さま目線を付け加えるのです。
ぜひこの順番で決めてみてください。
既に決めている方も見直しをすることが重要です。
紹介した4つのステップを順番にたどり価格を決めた後、最後のちょっとした工夫でお客さまに「お得感」を感じてもらいやすくしましょう!
その最後のちょっとした工夫とは、「あえて端数にする」です。
突然ですが、質問です!
スーパーなどで、アボカド1個99円で販売されているのを見たことはありませんか?
100円の方が切りがいいはずですが、1円引いてあえて端数にすることでお得感を出しているのです。
500円や3,000円など切りがいい価格よりも498円や2,999円などの端数にすることで、お客さまに伝わる印象がグッと変わります!
ぜひ取り入れてみてください。
ここまで解説した流れで、実際に価格を決めてみたので、ぜひ参考にしてみてください。
この4つのステップを順番にたどることで新たな気づきを得ることもできます。
得た気づきから、商品をより良いものにすることができることもあるので、みていきましょう。
【例】米粉パンの場合
材料費
設備費
その他
原価合計 10.5万円/1か月
利益は1か月で7万円ほしいとしましょう。
原価に利益をたして、10.5万円+7万円=17.5万円
この17.5万円は、1ヶ月で米粉パンを販売して得られる売上の総額です。
米粉パン1個の価格を算出するには、1ヶ月の販売見込みの個数で割ります。
1ヶ月の販売見込みの個数は、材料から算出して500個でした。
17.5万円÷500個=350円/個
原価に利益を足して、米粉パン1個の価格が350円となりました。
あるネットシッピングサイトに掲載されている米粉パンは10個3,980円で販売されています。
1個398円なので、原価に利益を足して算出した350円とそこまで差額はないことから、相場から大きく外れ ているということはなさそうです!
その他、2~3個同じように調べて、350円で販売することは現実的に問題なさそうでした。
しかし、1個100円以内で購入できる米粉パンもありま した。
米粉パンのこだわりを伝え、350円という価格にしている理由(価値)を理解していただくために、伝え方を工夫する必要があることに気づきました。
まずは、友達に協力してもらいました。
先入観なく良いことも悪いことも答えてもらいたいので、遠慮は要らないと前置きをして聞いてみました。
友達からの感想は、下記でした。
こだわりがあることが理解できたし、米粉パンがどんな味なのか食感なのか気になるから買うとは思うが、頻繁には買えないかな…
350円はまったく手が出ない金額ではないが、気軽に食べられる金額ではないと感じる人もいるという気づきがありました。
350円で誰に向けて販売するのが良いのかを考えるきっかけになりました。
手軽に食べられる米粉パンなのか、たまのご褒美として食べられる米粉パンなのか、どの立ち位置で販売していきたいのかによって値段を変えなければいけないとも気づきました。
他にも家族や知人に協力してもらい、4人の意見を集めることができました。
この米粉パンなら200円くらいが嬉しい、妥当かなという意見もあり、価格を下げたほうがいいのかなという考えもありました。
しかし、200円で販売すると、200円✕500個=10万円となり、1か月の原価(10.5万円)を下回ってしまうので、200円では利益が出ない、つまり原価割れです。
聞いた意見をそのまま、価格として決めるのではなく、その価格でちゃんと利益が出るのかを確認しましょう。
当初の予定より、低い価格を意見としてもらった場合、米粉パンにはその価格分の価値しか提供できていないということにもなります。
希望の価格にするため、原価を抑える方法として、原材料である米粉の再検討なども必要かもしれません。
今回の例でいう米粉パンは、米粉の品質がこだわりポイントなので、原価を下げることはしません。
そのため、350円という価格に見合う米粉パンにするために、伝え方を見直したり、新たな価値として、例えば「米粉パンの美味しい食べ方レシピ」を同封するなど工夫をしてみることにしました。
350円でももちろん良いのですが、345円などあえて端数にしてお得感を演出します。
これで価格が決まり、345円となりました!
ここまで、商品やサービスの価格の決め方について解説してきました。
価格の決め方で迷ったり、悩んだ際には、サブスクランプが無料でサポートしますので、ぜひお気軽に相談してくださいね。