スーパーでのお買い物や光熱費の支払、航空券の予約など…日常のさまざまな場面で使われるクレジットカード。
ひと昔前は、クレジットカードでの決済に抵抗感を持つ方も多かったと聞きますが、近年はネットショップやスマホ決済の普及に伴ってその抵抗感も薄れ、クレジットカードでのお支払いはあたり前の選択肢になっている印象があります。
そのため、これからビジネスを開始される方の中には、決済手段としてクレジットカード決済の導入を検討されている事業者様も多いのではないでしょうか。
しかし、日常生活で利用していても、クレジットカード決済の仕組みを知っている人は案外少ないかもしれません。
そこで今回は、クレジットカード決済の特徴や仕組み、事業者が導入するメリット・デメリットについて解説します。
クレジットカード決済とは、クレジットカードを利用してサービスや商品等の料金をお支払いをする決済方法です。クレジットカード会社が購入者に代わって代金を支払い、後日購入者に請求を行います。
購入時の手続きが楽だという点から、ネットショップ等で最も一般的な決済手段であり、インターネット上でビジネスを展開する上では欠かせない決済手段になっています。
日本におけるクレジットカードの保有状況
株式会社ジェーシービーの2022年度版調査によると、クレジットカードの保有率は86%でした。電子マネーの保有率(75%)、コード決済の保有率(70%)を抑え、ジェーシービーの調査対象の中では最も保有率が高いキャッシュレス決済です。
出典:【クレジットカードに関する総合調査】2022年度版調査レポート(6ページ)
お客様にとってはお支払いの手軽さや便利さが魅力のクレジットカードですが、ビジネスを始める事業者様にも次のようなメリットが期待できます。
クレジットカード決済を導入することで、お客様は現金や銀行振込などに比べて、簡単に手間なく支払いができるようになります。
お金を渡す、お釣りを受け取る手間も省ける、お支払いのためにATMや窓口へ行く必要もありません。
買いたいと思ったタイミングで支払を完了できるため、オンラインショップでの購入では、クレジットカード決済が主流となっています。
クレジットカード決済を導入することで、現金や銀行振込に比べて事務処理の効率化が期待できます。
例えば、現金や銀行振り込みの場合、事務処理としてはお客様へ振り込みを依頼する必要があります。また、お客様が支払を失念していた場合、支払いの履歴を確認したうえで請求を催促する必要があり、手間もかかればなんとなく気まずい思いをするかもしれません。
クレジットカード決済は、決済時にクレジットカード会社がお客様の代わりに代金を支払うので、振り込みの依頼や入金の確認、請求の催促といったことが不要となります。
習い事やレッスンでは月謝の支払を現金手渡しで行っているところも多いかと思いますが、お客様と支払った、支払っていないで水掛け論になることもあり得ます。
先生と生徒の仲が良ければ良いほど、「いま手持ちがないから、次回(来月)に支払いますね!」と支払いを伸ばしやすくなりますよね。その結果、お客様側が前月の月謝を払っていないことを忘れ、払ったつもりになってしまうことも考えられます。
しかし、クレジットカードを使ってお支払いをした場合、その履歴はお客様の明細に記録されることが一般的なので、支払い明細を見てもらえば支払った、支払っていないでトラブルになることは避けやすくなります。
また、クレジットカード決済を導入するときに、サブスクリプション型での支払い(定額で毎月自動的に請求する仕組み)に対応している決済サービスを選べば、より払い忘れを防止することが出来ます。
仮に未払いが生じた場合でも、クレジットカード会社が消費者の与信枠に応じて代金を立て替えてくれことが一般的です。事業者にとって、代金の未回収リスクを抑えることができるのは大きなメリットの一つです。
クレジットカード決済の導入方法は大きく分けて3つの方法があります。
ここでは、各導入方法について説明していきます。
クレジットカードと言えば、VISA、Mastercard、JCBなどは誰もが聞いたことがあると思います。
これらの会社は、決済の業界では「国際ブランド」と呼ばれており、世界中でクレジットカードが利用できるよう決済の仕組みを提供をしたり、環境を整備している会社です。
一方で、国際ブランドは、自社の決済の仕組みをとても多くの国、多くの事業者に提供しているため、自社のカードブランドを利用する事業者の開拓や審査、利用状況の管理は別の管理会社に行ってもらっているケースがあります。
この管理会社のことを「加盟店契約会社(アクワイアラ)」と呼ぶのですが、導入したいクレジットカードのブランド(Visa、Mastercard、JCBなど)を取り扱う加盟店契約会社を探し、契約することでクレジットカード決済を利用できるようになります。
しかし、カード会社ごとに申請項目や審査基準、契約内容が異なり、理解と作業にとても多くの時間を取られるため個別での契約は難しい場合もあります。
また、契約を行えても、提供される決済を行うシステムを自社のネットショップと連携させるための開発が必要であるため、あまりおすすめではありません。
次の方法は、決済代行会社を利用する方法です。
決済代行会社とは、クレジットカード決済を利用したい事業者とカード会社(加盟店契約会社)の間に立ち、契約を一括で行ったり、審査手続きの代行、決済の管理システムを提供してくれる会社です。
おすすめの方法は、ネットショップやオンライン決済ツールを使う方法です。
多くのネットショップは、商品ページの作成だけでなくクレジットカード決済もセットで提供しており、お客様の申し込みからお支払いまでスムーズに行うことが出来ます。
また、オンライン決済ツールの中でも、支払いだけでなく、購入(申し込み)ページの作成まで対応していたり、お客様のメールアドレスや配送先住所も取得できるサービスもあります。
いずれの場合も重要なのは、
を選ぶことが重要なポイントです。
申し込みページが用意されていないと、結局は自身のネットショップと決済ツールを連携させるためにプログラミングが必要になってしまうこともあります。
また、お客様情報を取得できない場合、どの支払いがどのお客様か特定することは難しいため、支払いと顧客情報を紐づけるための管理が必要になったり、支払いが発生するたびに連絡をとってお客様情報を伺う必要が出てきてしまいます。
そのような事態を避けるためにも、決済が出来るだけでなく、お客様情報も取得できるツールを選びましょう。