インドの貧困を減らす活動に繋がる、生はちみつのサブスク

インドの貧困を減らす活動に繋がる、生はちみつのサブスク

今回は、シュンドルボン生はちみつ専門店を運営するWest Bengal Polalis代表の土井奈未さんにお話をうかがいました。

土井さんは、もともとヨガのインストラクターをされていました。

ヨガの本場であるインドを訪れた際、観光地として有名な場所でも貧困は存在していると衝撃を覚えたと話してくれました。

それをきっかけに、インドの貧困問題を減らす活動を開始し、その一つがシュンドルボン生はちみつ専門店です。

生はちみつとの出会いの裏にある土井さんの思いやサブスクをはじめた先に見据える願いを話してくださいました。

シュンドルボン生はちみつ専門店を運営するWest Bengal Polalis代表の土井さん

シュンドルボン生はちみつ専門店を運営するWest Bengal Polalis代表の土井さん

1.インドの女性に雇用の機会を

インド西ベンガル州シュンドルボンの様子(マトナ川)

インド西ベンガル州シュンドルボンの様子(マトナ川)

-なぜ生はちみつを販売しようと思ったのですか?

土井さん:どうしても生はちみつじゃなきゃダメってことではなかったんです。

話すと長くなるのですが、生はちみつ販売の背景を大事にしているので知ってくださると嬉しいです。

ヨガのインストラクターをしている時に、ヨガの本場であるインドを訪れたんです。

有名な観光地であっても、あちらこちらに生活に困っている人たちがたくさんいました。

その光景にショックを受け、この貧困をなくす手助けができないかと思ったのです。

最初は、インドでヨガ教室、インド料理のお店を経営していたんが、うまくいかず、日本に戻ってきたんです。

日本に帰ってきてからも、何かしたいという思いはずっと残っていて…

インドで2店舗経営していた時は、ビジネスの知識がないような状態ではじめて、失敗してしまったので、何かはじめる前に知識を付けなきゃと思いました。

自分に知識やそういったことからくる余裕みたいなものがないと、誰かを救うことなんてできないと思って再起しました。

日本ではない別の国で何かしようと思ったら、現地の力は必要不可欠だと思い、特に貧困が原因で、女性の人身売買などがいまだ絶えない西ベンガル州のNGOに絞ってひたすらメールを送り続けました。

-行動力が素晴らしいですね!

どれくらいメールを送ったのですか?

土井さん:175通は送ったと思います。

その中から返事は何通かあったのですが、人身売買とは関係のない食料支援だったりでなかなか協力してくれるところがみつからなくて…

職業トレーニングなどを行っているNGO法人「Lokamata Rani Rashmoni Mission(ロカマタ・ラニ・ラシュモニ・ミッション)」が協力してくれることになりました。

人身売買を減らす動きをしているNGOとも繋げてくれたんです。

-NGO法人協力のもと、インドの貧困の調査にいけることになったのですね。

土井さん:はい、女性の人身売買の調査のため、「シュンドルボン」という村を訪ねました。

インドからバングラデシュにまたがって広がる広大なマングローブの群生地帯です。

そこでは、現金収入を得られる仕事は少なく、多くの住民がガスも電気もない貧しい生活をおくっていました。

人身売買のほか、DV、アルコール依存症、児童婚といった、貧困に起因する数々の社会問題が日常的に起こっていることを知りました。

それらの根本は「貧困」です。

貧困を無くすため考えたのが、女性たちに雇用を生み出すことでした。

2.シュンドルボン生はちみつとの出会い

The Indian Beekeepersの生はちみつ

The Indian Beekeepersの生はちみつ

-女性たちの雇用を生み出すための生はちみつだったのですね!

土井さん:その通りです。

将来、生はちみつを瓶詰めする仕事を女性たちにお願いできればと思っています。

シュンドルボンは、マングローブが広がる地域で、「その豊かな自然を活かさないのはもったいない!」と思いました。

また、すでに国が予算を投じ、養蜂家が育成されていることもあり、はちみつ事業に取り組むことにしました。

現地のはちみつ企業The Indian Beekeepers(ザ インディアン ビーキーパー)の生はちみつを取り扱っています。

インド国家規格(FSSAI=国際安全基準局、ISO=国際標準化機構、APEDA=農産物・加工食品輸出開発局)による品質と安全性を誇り、質の高い生はちみつです。

生はちみつのイメージ

生はちみつのイメージ

-生はちみつは、スーパーなどに売られているはちみつとはきっと違うんですよね?

土井さん:そうなんです、全然違うんです!

生はちみつはミツバチの巣から採取された、まったく加工されていないはちみつのことです。

微生物などの不純物を取り除くために、メッシュ、ふるい、またはナイロン布で濾過させるだけで作られます。

非加熱、非殺菌、未加工です。

これは、ビタミン、ミネラル、酵素、植物栄養素、抗酸化物質、その他の栄養成分を保つためであって、生はちみつの重要な特徴なんです。

無添加でも加熱されたはちみつは生はちみつとは呼べないのです。

また、はちみつに砂糖や水あめなどを加えられているものもあります。

スーパーなどで売られているはちみつは生はちみつとは呼べないものがほとんどです。

生はちみつは、ビタミン、ミネラルがたくさん含まれていて、インド・スリランカの伝統的医学であるアーユルヴェーダでも、貴重な栄養源の1つとして認識されているんです。

ミツバチの巣のイメージ

ミツバチの巣のイメージ

3.サブスクを通してより多くの方に届けたい

サブスクランプで提供中のサービス

サブスクランプで提供中のサービス

-知らなかったんですが、生はちみつってすごいんですね!

土井さん:そうなんです!

栄養価も高いし、個人的にはダイエットにもお勧めしています。

インドの女性に雇用機会を設けるためにはじめた事業ですが、生はちみつ自体すごく良いものなので、もっといろんな人に知ってもらいたいんです。

どれも自信作で、新作とかすぐに売り切れてしまうこともあります。

しかも、味も美味しんですよ!

キャラメルや黒糖のような味わいで、香りがすごくいいんです!

クセはないので、はじめて生はちみつを召し上がる方でも抵抗なく取り入れることができると思います。

実際に食べた何人かは、お湯に溶かして飲んだら喉が痛くなくなったと言っていました!

-生はちみつを広めようとサブスクをはじめたのですか?

土井さん:そうですね!

より多く販売できれば、それだけ現地の雇用を生み出せるので、生はちみつを広める方法を探していました。

知人からサブスクなんていいんじゃない?と助言をもらったのがきっかけですね。

それまでは、サブスクという言葉を知っているだけで、サブスクで販売したいという考えがあったわけではないんです。

生はちみつのイメージ

生はちみつのイメージ

-そうだったのですね!

では、サブスクランプを選んでいただいた理由は何だったのですか?

土井さん:サブスクランプは、検索で見つけました。

まだ始めたばっかりなので、費用をかけられる程余裕もなかったので、月額費用が発生しないことはかなりありがたかったです。

さらに、フォーマットが決まっていて、そこに文章や画像を当てはめればいいだけなのも助かりました。

自分にデザイン力があるわけではないので、商品紹介ページを作ろうと思っても限界があるし、その分サブスクランプはフォーマットになっていて既にデザインが決まっていたので、悩まずに済みました!

サブスクランプで提供中のサービス

サブスクランプで提供中のサービス

-生はちみつを広めるために他には何か行っていますか?

土井さん:継続的にSNSで情報発信しているのと、直近ではクラウドファンディングを行いました。

SNSは、InstagramやFacebook、アメブロで生はちみつの知識などを発信しています。

投稿にいいねやコメントをくれたりと、興味を持ってくださる方がフォロワーになってくれたりしました。

その方々にDMを送って、クラウドファンディングのご協力もお願いしていました。

ありがたいことに、その方たちもクラウドファンディングに参加してくれたり、活動を応援してくれました。

SNSを通じて、わたしの活動に賛同、協力いただける方が増えてきた結果、クラウドファンディングも目標金額を超えることができました!

わたしには、店舗をかまえたり、広告費をかけてCMうったりできる資金力もまだないので、できることをしようと思って、SNSとクラウドファンディングをやってみました

4.インドに生はちみつの工場を設立したい

瓶詰されたはちみつのイメージ

瓶詰されたはちみつのイメージ

-最後に、今後の展望について教えてください。

土井さん:まずは、困っちゃうくらいの注文が欲しいですね笑

将来、シュンドルボンにはちみつの瓶詰め、はちみつ石鹸や化粧品など加工品を製造をする日本輸出専門の工場を立ち上げたいと思っています。

インド西ベンガル州の女性たちを正規雇用することで、生活に困らない安定収入を得られる環境を整えたいと考えています。

そのためにも、もっともっと多くの方に生はちみつを知ってもらいたいですし、インド、そして他の国でもおこっている貧困問題を少しでも知ってくれたら嬉しいなと思います。